人の食べものを猫にあげてはいけない最大の理由は、猫が食べてしまうと中毒症状を起こしたり、病気の原因となる食物があるからです。とくに知っておいてほしい猫に食べさせてはいけない代表的なたべものについて説明します。

目次

食べさせてはいけないも
 タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク
 アボカド
 青魚(サバ、アジ、イワシ)、マグロ
 アワビ
 生のイカ
 生の豚肉
 大量のレバー
 魚の骨、鶏の骨
 チョコレート
 おつまみやおやつ類(味付け海苔、スルメ、さきイカ、煮干し、豆菓子など)
 飲み物(紅茶、コーヒー、アルコール類)
 生花

まとめ

食べさせてはいけないも


●タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク

これらの食物に共通して含まれるアリルプロピルジスルフィドという成分が引き金となって、貧血を引き起こす恐れがあります。成分が血液中の赤血球を破壊するためです。
また、壊れた赤血球から放出されるヘモグロビンという物質が腎臓に障害を与え、場合によっては急性腎障害となり、命にかかわることもあります。
猫はタマネギのにおいを嫌うのでそのまま食べることはまずありません。しかし、やっかいなのがこの成分は過熱をしても消えません。タマネギ類が具材として使われたり、煮込まれてエキスが溶け出している料理(ハンバーグ、肉じゃが、すき焼き、シチュー、カレー、オニオンスープなど)も食べさせないように注意しましょう。
●アボカド
果肉に含まれているペルシンという成分が中毒症状を引き起こし、けいれんを起こしたり呼吸困難になってしまうことがあります。
●青魚(サバ、アジ、イワシ)、マグロ
これらを食べ過ぎると、皮下脂肪の炎症、しこり、発熱、痛みなどの症状がでます。魚に含まれる不飽和脂肪酸により体内の脂肪が酸化して黄色脂肪酸(イエローファット)になることが原因です。ビタミンEの欠乏によりなりやすくなります。キャットフードで魚肉ベースのものには防止するためにビタミンEが添加されています。
●生のイカ
長期間大量に生イカを食べると神経障害が起こります。ふらつきなどの症状が出て、まさに腰を抜かしたようになることもあります。原因はイカの内臓にあるチアミナーゼという酵素です。ビタミンB1を破壊してビタミンB1不足になるためです。しっかり加熱をすれば問題はありません。また、イカは消化不良をおこしやすいので与えすぎに注意しましょう。
●アワビ
アワビを食べた後に日光に当たると、皮膚炎などを発症します。光線過敏症という病気で、アワビの肝に含まれる毒素による中毒が原因です。毛や皮膚の薄い耳に炎症が出やすく、腫れやかゆみが生じ、場合によっては壊死して耳が取れてしまうこともあります。とくに3~5月頃は貝の毒素が強いため危険。サザエやトコブシ、トリガイなどを食べても症状が出ることがあります。
●生の豚肉
豚肉を生で食べてしまうとトキソプラズマという寄生虫に感染することがあります。猫が感染しても症状が出ないことが多いのですが、猫のうんちから人間に感染してしまうと問題です。妊娠中の女性が感染すると胎児にも重大な影響が及ぶため、絶対に生食をさせないよう注意が必要です。
●大量のレバー
長期にわたって過食すると骨の変形などの症状が出ることがあります。これはビタミンAの摂り過ぎによるビタミンA過剰症によるものです。もし好物であっても、たくさんあげ過ぎないように注意が必要です。
●魚の骨、鶏の骨

身が少し残っている骨をあげるのは禁物です。猫の歯は細かくかみ砕けないので、そのまま飲み込んでしまい、のどや食道、胃を傷つけてしまう恐れがあります。
●チョコレート
犬にはチョコレートをあげるなと言いますが、猫にも危険です。
症状は下痢、嘔吐から異常興奮、震え、発熱、不整脈、けいれんなどで、大量に食べてしまうと命を落とすこともあります。
原因はチョコレートに含まれるカカオに含まれるテオブロミンという物質です。中枢神経を刺激し、中毒症状を起こします。カカオを多く含むビターチョコ、ブラックチョコがとくに危険です。ココアバターもテオブロミンを多く含むので危険です。
食卓に放置しないよう注意してください。
●おつまみやおやつ類(味付け海苔、スルメ、さきイカ、煮干し、豆菓子など)

塩や砂糖で味付けしたものが多く、少しのつもりでも猫が欲しがるのでついたくさんあげてしまいます。
ふだんごはんを十分に上げているのに、カロリーの高いおつまみやおやつ類をつねにあげていたら、塩分の摂り過ぎによる内臓や血管の病気、糖分の摂り過ぎによる肥満などになります。
●飲み物(紅茶、コーヒー、アルコール類)
紅茶やコーヒーには興奮作用のあるカフェインが含まれているので、なめさせたりしないようにしましょう。
アルコール類は言うまでもなく絶対に飲ませてはいけません。
猫がグラスの飲み物をなめたがるクセがある場合は、グラスを放置しないことも大事です。
●生花
飾ってある生花をなめたり、かみちぎって遊んだりする猫がいますが、危険な花があります。
猫にとってユリは強い毒性があり、食べてしまうと急性の腎臓病を発症します。花だけでなく、葉や茎、花粉、生けていた花瓶の水でも中毒症状がでるので要注意です。
また、クリスマスの季節におなじみのポインセチアも猫には毒性があり、食べると皮膚炎を発症することがあります。
他に、シクラメン、アザレアなどを食べると中毒症状が出ることがわかっています。

まとめ

家の中は安全で安心と思っていても口にすると危険なものが多数あることがわかります。
猫が病気にならないためにも飼い主は、可愛いから、ついあげてしまうのではなく、可愛いからこそ、絶対あげないと心がけてほしいと思います。
愛する猫の健康を長生きのためには、そのほうが絶対にいいはずですね。

おすすめの記事