猫を飼い始めるときは、長く一緒に暮らしてほしいと思い、何歳まで一緒に暮らせるかが気になりますよね。
猫の寿命は環境が大きく影響するのと個体でのばらつきがあるので、一概に何歳と言えませんが、将来、猫とより長く過ごすために、飼い主は猫の平均寿命、猫種の平均寿命を理解し、猫の健康な生活をサポートしてあげたいものです。

目次

猫の平均寿命
猫は人間の何倍もの速さで年をとります
猫の種類別平均寿命
環境で平均寿命は変わる
まとめ

猫の平均寿命

東京農工大学と日本小動物獣医師会が実施した大規模調査の結果によると、2014年時点

で日本でペットとして飼われている犬と猫の平均寿命はそれぞれ13.2歳、11.9歳となり、過去最高となりました。
ギネスワールドレコーズ(2015年12月16日発行)によると、史上最長寿の猫はなんと38年3日生きたそうです。人間の年齢では、驚くべきことに約170歳になります。
この記録には及ばないまでも、私たちが迎える猫たちが少しでも長く元気に育ってくれることを願っています。
そのためには、猫の「飼い方」「お手入れ」「食事・おやつ」「猫の病気」についての知識が必要です。
参考までに、「アニコム家庭用動物白書2019」によると、損害保険に加入していた猫の平均寿命は14.2歳だったそうです。このことから、ペット保険に加入している猫は、良い環境で生活し、飼い主によく面倒を見てもらっていることがうかがえます。

猫は人間の何倍もの速さで年をとります

猫の年齢を人間の年齢に換算する方法はいろいろありますが、基本的には生後約1年半で人間の成人(20歳)に達し、2歳で24歳、その後は1年ごとにだいたい4歳ずつ成長していくと考えられています。その後は、1年に約4歳ずつ歳をとっていきます。つまり、3歳で28歳、6歳で40歳、11歳で60歳、16歳で80歳ということになる。
老化のスピードは人間の何倍も速く、10歳を超えるとこの世代は中年、熟年と呼ばれるようになる。この年齢から病気や体調不良が起こりやすくなり、猫の身体や感覚の衰えを感じるようになります。今まで以上にケアが必要になってくるので、日常の行動や食事、水の摂取などに特に気を配ることが大切です。
実は、この頃から猫の病気が目立つようになるのです。中年期(11~14歳)以降の猫がかかりやすい病気は、慢性腎臓病などの泌尿器系の病気、がん、糖尿病、歯周病などです。
また、単なる老化と思われて見過ごされがちな、変形性関節症という関節の病気があります。関節が変形することで痛みが生じ、運動や毛づくろい、爪研ぎをしなくなる。老齢のせいだと思い込んでいる飼い主さんも多いのですが、早期に発見して適切な治療をすれば、痛みが消えて元気になることも多いのです。
環境などが良くなったので20歳に成っても元気な猫が最近は多くなりました。私の計算では、猫の20歳は人間の96歳に相当します。日々の体調をよく観察し、生活に負担がかからないような工夫をしてあげたいものです。

猫の種類別平均寿命

冒頭で、猫の寿命は環境や個体差に左右されると言いましたが、種類別の平均寿命について書きます。あくまで傾向として見て下さい。
アニコムグループが2017年12月15日に発表した「家庭動物白書2017」より、契約猫種の平均寿命は以下になります。(ランキングは契約頭数の多い順です。)
第1位 混血猫 14.3歳
第2位 スコティッシュフォールド 13.4歳
第3位 アメリカンショートヘア 13.5歳
第4位 日本猫:14.3歳
第5位 マンチカン 11.2歳
第6位 ロシアンブルー 13.1歳
第7位 ノルウェージャンフォレストキャット:12.6歳
第8位 ペルシャ(チンチラ) 13.9歳
第9位 メインクーン 12.5歳
第10位 ラグドール 13.5歳
猫全体の年齢は14.2歳です。
寿命は個体によるところが大きいので、過度に心配する必要はないでしょう。気になる方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

環境で平均寿命は変わる

野良猫の寿命を正確に測定することは難しいが、環境省や各自治体の動物愛護センターからの情報では、およそ3〜5年と認識されている。
野良猫の寿命が短いのは明らかに環境です。外で生活しているため、交通事故に巻き込まれたり、ケンカでケガをしたり、ワクチンを接種すれば防げる感染症にかかったりする可能性があるからです。
ペットフード協会の2020年調査結果によると以下のようになります。
家の外に出ない猫の平均寿命は16.13歳
家の外に出る猫の平均寿命は13.57歳。
猫全体の平均寿命は15.45歳
2019年以前4年間の調査でも結果は同じです。
これは、猫が外に出ることで、事故やケンカによるケガ、感染症など、不測のリスクにさらされることが増えるためと考えられます。

まとめ

子猫の時からでも、飼い主と猫の関係は10年以上続くこともあります。
その間、猫は私たちにどれだけのものをもたらしてくれるのでしょうか。
一方、飼い主にできることは、一方的に愛情を注ぐだけでなく、生活環境を整え、健康に気を配り、病気の予防やかかってしまった病気の治療を心がけることです。
ペットが健康で元気に一生を終えることが、飼い主にとって一番大切なことだと考えています。
猫の幸せを考えることは、飼い主の幸せにもつながっているのです。

おすすめの記事