一般的な猫の甘える仕草には、鳴く、顔をこする、尻尾を振って体をこすりつけるなどがあります。これらの猫の甘える仕草は、人を喜ばせるためのものではなく、本来は他の猫との挨拶やコミュニケーションのために使われるものです。
猫の仕草はどれも可愛いですが、甘えてくるときの仕草は、そこにはどんな意味があるのでしょうか。
目次
猫が甘えている仕草・サイン
・猫がごろごろと喉を鳴らす
・猫が頭突きをしてくる
・猫が寝そべってお腹を見せる
猫が甘えてくるとき
獲物を持ってくる
男の子と女の子で違い
まとめ
猫が甘えている仕草・サイン
猫は撫でられて気持ちよくなっている時や、手などで遊んでいる時に突然甘噛みしてくることがあります。何か気に障ったのと思う急な変化かもしれませんが、甘えたい気持ちが高まったり、もっと遊んでほしいという気持ちから甘噛みとして現れることがあります。
甘噛みは、親猫や兄弟猫を遊びに誘ったり甘えたりするときに使う仕草のひとつです。しかし、相手が人間の場合、猫は噛む強さを調整する方法を学ぶことができません。あまりに頻繁に噛まれるようであれば、噛ませないように注意することが必要です。
甘えるだけでなく、かまってほしいときに突然人の足先などを噛むことがあります。
小さな子猫の場合、歯茎がかゆくなり、いろいろなものを噛む歯が生える時期の延長で、人の手を噛むことがあります。また、爪切りや体の嫌いな部分の毛づくろいなど、何かをやめてほしいときに「ダメ」のサインとして噛むこともあります。
必ずしも「甘噛み=甘え」ではなく、さまざまな意味があるので、猫をよく観察して、なぜ甘噛みをしていたのかを理解し、それに応じた接し方をすることが大切です。
・猫がごろごろと喉を鳴らす
猫の喉をごろごろ鳴く声は、聴いているとどこか心地よく、リラックスできるものです。猫は安心したり、心地よさを感じたりするときによく喉をごろごろ鳴きます。中には、何かをおねだりしているときにごろごろ鳴く猫もいます。
猫は生後2日頃から喉を鳴らすことができるようになり、その音や振動は母猫との大切なコミュニケーションとなります。ごろごろ鳴く声の大きさやピッチは猫によって微妙に異なり、全く鳴かない猫もいます。
猫がごろごろ鳴くと、リラックスした状態になるイメージが強いですが、緊張しているときや体調が悪いときにも鳴くことがあります。猫が不安なときや苦しいときに鳴くのは、自分をリラックスさせるためと考えられており、その音の高さはリラックスしているときよりも少し低くなると言われています。
・猫が頭突きをしてくる
猫が朝起きたときや、何かをしているときに飼い主に頭突きをすることがあります。この頭突きは、愛情の証とも言われています。
猫同士の挨拶であり、猫の額や頬、下あごにある腺から分泌される匂いを付着させるマーキングだと考えられています。他に、親しい者に向けた行動、甘えやおねだりの表現、遊びの誘い、あるいはマッサージのように単に猫が気持ちいいから押していると考えられることもあるようです。いずれにせよ、この行動は親しい猫同士にしか見られない。
頭突きはかなり力強く、何度も繰り返すこともあり、ちょっとびっくりすることもありますが、大好きという表現なのでしょう。
・猫が寝そべってお腹を見せる
お腹を見せるという行為は、相手への降伏と信頼の証です。
家で暮らす猫は、人に降参している姿を見せることはほとんどありませんが、家の中で本当に安心していること、家族を信頼していることの証として、寝転んでお腹を見せて、リラックスしたり甘えたりしています。
目の前に来てお腹を見せると、触られたいと思うかもしれません。しかし、たくさん触ってほしい猫とそうでない猫がいるので、触る場所や撫で方を適宜調節してあげましょう。
また、猫は信頼や甘えの表現だけでなく、遊んでほしいときや暑いときに寝転んでお腹を見せることもあります。
猫が甘えてくるとき
猫にもよるが、食事の前におねだりという形で甘えを表現することが多い。また、家族が外出から帰ってくると、挨拶やマーキングの意味を強く持った甘えをすることが多いです。お風呂を出たときに同様にマーキングしてくることがあります。
また、マイペースでちょっとやんちゃな猫は、他のことに集中しているときに目の前に来てお腹を見せたり、パソコンや雑誌を開いていると、かまってほしく甘噛みしてきたりすることもあるようです。
さらに、寝るときに気持ちよくふみふみしてくれたり、朝起きたときに頭突きや顔面へのスリスリすることも多いです。
猫は体調が悪いときに人に甘えることはあまりありません。むしろ、体調が悪いときはあまり動かず、落ち着ける場所で静かにじっとしていることが多いようです。
しかし、膝の上でくつろぎたい、マッサージしてほしいなど、猫なりの要求で甘えてくる場合もあるようです。いつもと比べて少し元気がないようなときは、猫の体調を確認し、何を求めているのかよく見てあげるとよいでしょう。
獲物を持ってくる
猫によっては、捕まえた昆虫などを飼い主のもとに持ってくることがあります。スリッパや靴下など、特定のものを繰り返し持ってくる猫もいます。見せるだけの場合もあれば、何かお礼品として置いていく場合もあります。
この行動は、獲物を食料として仲間の飼い主に分け与えるため、安全な場所に持ってきてゆっくり食べたり保存するため、獲物を見せびらかすためなど、さまざまな理由があると考えられているそうです。いずれにせよ、食べ物を分けてもらえるほど、飼い主を仲間として大切に思っている証のようです。
狩りを楽しんでいるようであれば、狩りの要素の強い遊びを多く取り入れて、欲求を満たしてあげるようにしましょう。
男の子と女の子で違い
猫では一般的に、大きくなっても甘えん坊なのは男の子の方だと言われています。また、大人になってもたくさん遊ぶ傾向があります。一方、女の子は自立心が強く、気分屋なところが多いので、甘えたいときとそうでないときの差が大きくなるようです。ツンデレな一面があります。
まとめ
猫は、どんな時でもかわいい仕草やさりげない優しさで私たちを癒してくれる貴重な存在です。また、猫にとって一緒に暮らす家族は、親であり、兄弟であり、仲間であり、時に守るべき大切な存在です。家族にしか見せない表情やしぐさもたくさんあります。その表情やしぐさの意味をより深く理解することで、さらに愛着が湧くのではないでしょうか。