私が初めて猫と暮らしだしたのは生まれて1週間経つか経たないかの仔猫だったので、当時はドタバタでした。
そこで、生まれたての赤ちゃん猫と一緒に暮らすときの手助けになりそうなお話を、少し綴ってみたいと思います。
目次
赤ちゃん猫との出会い
仔猫に牛乳はどうなのか
仔猫が安心できることが大切
おしり事情
赤ちゃん猫は興味しんしん
最後に
赤ちゃん猫との出会い
あれは、残業帰りでヘトヘトになりながら帰路に着いたとき。
その道にガムテープでぐるぐる巻きにされた、汚い段ボール箱が放置されていました。
しかも中から「みーみー」と小さな鳴き声が聞こえる。
不審に思い、慌ててガムテープを剥がしました。すると。
何も無い箱の中に1匹の、おそらく生まれて1週間経っているかどうかの小さな仔猫が震えていました。
手の上に載せられる程の非常に小さい仔猫でした。
必死に爪を立て、離されないようにと抵抗し、大きな声で鳴き続ける姿に、もう涙が止まらなかった。
単に捨てるだけでも酷いのに、外に出ることもできないようにガムテープでぐるぐる巻きにしているなんて!と、私はもう大憤慨状態でした。
そこへ、幸運なことにお巡りさんが通りかかったんです。
彼に仔猫が脱出不可能な状態にされた段ボール箱に入れて捨てられていたことを話しました。
そして「もし問題がないのなら私が貰って帰ります」というと、「ああ、それが1番いいね」と言って貰えたので、連れ帰ることに。
猫ちゃんをよろしくね、と告げて捨てられていた段ボール箱を拾って、お巡りさんは立ち去りました。
とはいうものの手元には何もなく、連れ帰るにしても…と悩んだ末、仕方なくハンドタオルで包みました。
そして、胸当てにポケットがついたオーバーオールを着てきていたことを思い出し、その胸ポケットへとそっと入れました。
すると、暖かさで安心したのか、鳴き止み、気がつくと眠り始めていたんです。
季節は真冬。これが愛猫“ふう”との出会いでした。
仔猫に牛乳はどうなのか
帰宅後、どうにか両親を説得することに成功。
次はご飯です。
生まれたばかりなら、と冷蔵庫から牛乳を取り出し少しだけ温めて与えたんです。
冷えたものを口にすれば、大人の人どころか抵抗力の無い赤ちゃんはお腹を壊す。
そう考えたのでした。
果たして“ふう”は、震えながらも少しずつ飲んでくれて一安心しました。
ところで、皆さんはドラマなどで捨て猫を拾い、自宅に連れ帰ってミルクを与えている場面を見たことはありませんか?
あのミルクの正体はなんでしょう。普通であれば牛乳のはずです。
ですが、残念なことに牛乳は余り与えてはいけないものなのだそうですよ。
牛乳には乳糖と呼ばれる糖分が含まれており、猫はそれを分解するラクターゼと呼ばれる酵素を余り持っていないので、うまく消化・吸収できないそうです。
吸収できなかった乳糖は腸の中に止まり、水分を含み、やがて下痢を起こしてしまうのだとか。
また、牛乳には猫に必要なタンパク質や脂肪も余り含まれておらず、栄養不足になってしまうそうですよ。
私は、他に手段が無く、仕方なく少し温めた牛乳を与えましたが、翌日友人と猫用を購入しました。
仔猫が安心できることが大切
良かった、と一息ついていると、“ふう”は突然、匂いだけを頼りに座っていた私を探し当て、爪を立ててよじのぼり始めたんです。
そして私の膝の上にたどり着いた途端、そこで丸くなって寝始めました。
仔猫は母親とはぐれないようにと鳴き、ここにいるよと教えます。そして、その細く鋭い爪で落ちてしまわないように力一杯しがみつくんです。
※仔猫に限らず猫の爪は鋭い上に雑菌などが潜んでいることもあります。引っ掻かれたりしたら、すぐに洗って殺菌しましょう。
さて、膝で爆睡(?)する“ふう”の寝床を作ることにしたのですが、ちょうど良いサイズの箱があったので、それを利用しました。
まず、フカフカになるようにタオルなどを敷き詰め、そこへ“ふう”をそっと置いたんですが、すぐに目を覚まし、これまた「みぃみぃ」と鳴きながら私の膝をよじのぼり…。
ここで私は考えました。
何故、さっき私の膝の上によじ登ってきたのか。その理由を。
“ふう”は私の匂いを母親と認識したのでしょう。だからこそ、こういう行動を取ったんだね、と。
さすがにお気に入りのオーバーオールを献上する訳にはいかなかったので、着ていたTシャツを丸めて箱の中に入れ、彼を連れ帰る際に使ったハンドタオルも添えててみました。
すると、やっと安心したのか、箱のベッドの中で“ふう”は眠り始めてくれました。
おしり事情
さて、今度はトイレです。
猫トイレを準備し、トイレはここだからね!と何度も教えました。
でも仔猫はトイレをしたくても上手くできないこともあるんです。
そういう時は、お尻の辺りを少し濡らした脱脂綿などで、そっと拭ってあげてみてください。
親猫が良く仔猫のお尻を舐めているのを見たことはありませんか?
あれの真似ですね。
そうすることで、仔猫は便意を促されるのです。
“ふう”は失敗も少なく、すぐトイレを覚えてくれて助かったのを覚えています。
赤ちゃん猫は興味しんしん
人間の場合でもそうですが、赤ちゃんは何でもかんでも口にします。
怪我をしたり喉に詰まらせたりしたら大変です。
ですので、小さなものや細いもの尖ったものは部屋から取り除きましょう。
また、悪戯されると困るものは、根気良く「ダメ」と小さく注意して取り上げてみせます。
それでもダメであれば、躾用のスプレーなどを用意してみてください。
彼らが嫌いな匂いがするようで、悪戯されるものにこっそり匂いをつけておきます。
すると、少しずつ「これはダメだ、嫌いな匂いがする」と諦めてくれると思います。
最後に
こうやってドタバタな猫ライフがスタートしたのですが、非常に賢かったので余り躾などで苦労することはありませんでした。
情報としては、まだまだ少ないと思いますが最初の1番大切かな?と思ったことのみを書かせていただきました。
気まぐれだけど、意外と人の気持ちを汲み取れる素敵な相棒。
もし、捨て猫を拾ったら、どうぞ見捨てずに保護してあげるか、保護団体に連絡をしてあげて欲しいと思います。